2H
[1999年/モノクロ+カラー/スタンダード/35mm/120min
[製作+配給]
出演:馬 晋三 熊 文韵 張 奇開 李 燕
監督+撮影+録音+編集:李 纓
プロデューサー:張 怡
撮影協力:川村 篤
録音協力:飯塚 貞三 内海 浩義
編集オペレーター:林 大介 水上 智仁
音響効果:伊藤 泰久 丸山 孝之
整音:三上 信一
タイミング:三上 智 広瀬 亮一
制作デスク:芝田 英二
音楽:ジョン・海山・ネプチューン「大和の曙」
協力:福富 哲 丸岡 征也 佐藤 武光 堀田 泰寛
協力:村井 邦久 稲葉 正広 神保 小四郎 和田 典子
キネレコ:IMAGICA
プロダクション協力:TSP IMAGICA
配給協力+宣伝:スローラーナー
DVD発売:ティー・オーエンタテインメント/4,935円(税込)/TOBA0010
仲間とともに私はまた「2H」を見、これからも見続けるだろう
―アレクサンドロ・ソクーロフ/映画監督
解説
96歳の老人・馬 晋三は、東京で一人暮らしをしていた。彼はかつて孫文の参謀として、また国民党の将軍として激動の中国史を生き抜いた。日本へ亡命し、そこで自分の死を予感する。それはまた一人きりで死に向かう孤独な闘いの始まりだった。一人の中国人女性もまた、東京に暮していた。彼女はこの老人の死を予感し、自分の子供を産むことを望む。この都会の中で、一人きりで生きるとは、また誰かと共に生きるとは、一体どのようなことなのだろうか?
Director’s note
人間が死を迎える時、それは同時に人生のクライマックスを迎えるときでもある。人生におけるすべての夢、葛藤、闘い、勝利と敗北、妥協、孤独、そして祈りは、その人生の最後のひとときに強烈なシグナルを発する。この映画の撮影は、私がこのシグナルを現実に感じとるプロセスでもあった。もしかすると、“生と死”を実感するとともに、この20世紀が世紀末において発している、国や家族、そして人間関係の崩壊というシグナルを感じていたのかもしれない。そういう意味において、この映画は“世紀末の映画”といえるだろう。その感覚を表現するために、私は従来の映画に存在したフィクションとノンフィクション映画の間の“ベルリンの壁”を打ち壊そうと思った。そして “家庭用のデジタルビデオ”による撮影で出来る限り赤裸々な“百年の孤独”に触れてみたかったのである。
第49回ベルリン国際映画祭 NETPAC賞受賞
第24回香港国際映画祭 国際批評家連盟賞大賞受賞
ペテルブルク国際映画祭 招待作品
釜山国際映画祭 招待作品
山形国際ドキュメンタリー映画祭 インターナショナルコンペティション出品
東京国際映画祭 招待作品
ブラジリア国際映画祭 招待作品
台湾国際ドキュメンタリー映画祭 コンペティション出品